自動車メーカーのホンダが、Esportsチーム「Liquid」とのスポンサー契約を打ち切ったことが明らかになった。
理由は、Liquidの『Rainbow Six: Siege』部門に所属するLucas "DiasLucasBr" Dias選手の不適切なSNS投稿によるものだ。
問題の投稿と選手の対応
ブラジル出身のDiasLucasBr選手は、CAG Osaka(日本拠点のチーム)との対戦に敗れた後、X(旧Twitter)に投稿を行った。その投稿には、「Liquidが敗退した」ことに言及しつつ、原爆のGIF画像が添えられていた。この投稿は現在削除されている。
【悲報】大手e-SportsチームTeam Liquid
— LMAO Gamer (@ETHAN_BIGLOVE) May 14, 2025
R6S部門メンバーDias選手
CAGとの対戦後負けた腹いせに原爆画像を投下してしまう@DiasLucasR6 @HondaJP #R6S#TeamLiquid#CAG#R6S募集#ow2募集pc #VALORANT募集 #Apex募集 #CAGよくやった pic.twitter.com/czzQHH8dfw
Dias選手は後に謝罪し、「相手を傷つける意図はまったくなかった」と弁明したが、チームは彼に対し、4ヶ月分の給与を罰金として科す処分を下している。
Liquidの公式コメント(翻訳)
Liquidはこの件に関して、次のような声明を発表している。
Team Liquid Statement on Recent Social Media Post by DiasLucasBr
— Team Liquid (@TeamLiquid) May 19, 2025
After a game against the Japanese Rainbow Six team CAG Osaka, one of our Rainbow Six players, Lucas “DiasLucasBr” Dias, made a social media post that featured offensive and insensitive content. Lucas made a…
(以下翻訳)
" 日本の『Rainbow Six』チーム「CAG Osaka」との試合後、当チームの『Rainbow Six』部門に所属するLucas “DiasLucasBr” Dias選手が、SNSに不適切かつ配慮を欠いた内容の投稿を行いました。
この投稿は、敗戦直後の悔しさから感情的になった末の誤った判断によるものでした。Dias選手は、チームが「崩壊した」ことを表現しようと、一般的なキーワードで爆発のGIF画像を検索しましたが、自身の感情の強さに合うものを選ぶあまり、その画像が日本にとって非常に痛ましい歴史的出来事を想起させるものであることに気づきませんでした。
私たちは、彼に悪意や差別的な意図はなかったと信じていますが、それでも重大な判断ミスであり、配慮に欠けていたことは間違いありません。
投稿後すぐに、Dias選手はCAG Osakaの選手たちに対して自ら謝罪の意を伝えました。CAG Osakaの皆さんは、彼の謝罪を丁寧に受け入れ、「意図的な侮辱ではなく、単なる過ちだった」と理解を示してくださいました。
このことが投稿によって引き起こされた不快感を帳消しにするものではありませんが、Dias選手の謝罪の真摯さや彼の人間性を表していると私たちは考えています。もし、Dias選手に悪意や偏見があったと私たちが判断していたなら、彼をチームから外していたでしょう。
私たちは、すべての選手とスタッフに高いプロ意識を求めています。そして今回の投稿は、明らかにその基準に達していませんでした。
この出来事は、Team Liquidという組織やDias選手自身の本質を示すものではなく、彼個人をこれだけで評価すべきではないと考えています。人は誰しも過ちを犯しますが、それを真摯に受け止め、学び、成長しようとする意志がある限り、チャンスは与えられるべきです。私たちはDias選手に必要な教育やサポートを提供し、彼が人として、プロとして成長できるよう取り組んでいきます。
誠実な過ちが、選手生命を断つようなものであってはなりません。
CAG Osakaの選手の皆さまへ。
不快な思いをさせてしまったことに、心からお詫び申し上げます。
誠実な対話とご理解、そして今回の件を丁寧に受け止めてくださった対応に、深く感謝いたします。
そして、日本のファンの皆さま、日本のEsportsコミュニティの皆さまへ。
今回の投稿が、どれほど無礼で、心を傷つけるものであったか、私たちは十分に理解しています。
皆さまを失望させてしまったことに、深く反省し、心からお詫び申し上げます。
この出来事が、多くの方々にとってどれほどつらく、苦しい瞬間であったかを、私たちは真摯に受け止めています。そして、日本という国と、その活気あるEsportsコミュニティに対して、私たちは変わらぬ敬意を持っており、その信頼を言葉だけでなく行動で取り戻していきたいと考えています。
世界中のファンの皆さまへ。
Team Liquidは、さまざまな国や文化、コミュニティと関わる中で、常に完璧であり続けることはできません。
今後も、間違いを犯すことがあるかもしれません。しかし、私たちはその責任から逃れることなく、真摯に向き合い、誤りを正していく姿勢を持ち続けます。
その一環として、今回の件を受けて以下の対応を取ることを決定しました。
財政的および懲戒処分
Dias選手には、プロ選手としてあるべき行動を欠いた責任として、給与4ヶ月分に相当する罰金処分を科します。
さらに、メディア対応および感受性に関する追加トレーニングを実施します。
慈善団体への寄付
今回の出来事に対する責任と誠意を示すため、『Rainbow Six』部門の全選手が「Reloadトーナメント」で得た賞金の全額を慈善団体に寄付することを決定しました。
また、Dias選手の罰金も慈善団体へ寄付されます。
グローバルでの教育強化と再発防止策
今後6ヶ月間、全ゲームタイトルに所属するすべてのTeam Liquid選手およびコーチを対象に、メディア・感受性に関する再トレーニングを義務付けます。
Dias選手の投稿は、現実的な事例として新規メンバーの研修カリキュラムに組み込み、再発防止に努めます。
Hondaとのパートナーシップ解消について
しかしながら、この騒動の影響を受けて、当チームの自動車パートナーであるHonda Motorsがパートナーシップの更新を行わない決定を下しました。
この結果は非常に残念ですが、私たちはその判断を尊重し、6年間にわたるパートナーシップに深く感謝しています。
改めて、私たちを支えてくださるすべてのコミュニティ、パートナー、そして誠実にご意見を届けてくださった皆さまに、深く感謝いたします。
これからも、皆さまが求める高い基準に応えられるよう、努力を続けてまいります。"
長期契約の終了と今後の方針
今回終了したスポンサー契約は6年間にわたり継続されており、2022年にはさらに拡大。HondaはLiquidの『League of Legends Championship Series(LCS)』のメインチームおよびアカデミーチームの命名権も取得していた。このパートナーシップの解消は、経済の不透明感が続く中で、Liquidにとって大きな打撃となる。
大会運営から貸し出された備品を傷つけるTeamLiquid
— LMAO Gamer (@ETHAN_BIGLOVE) May 15, 2025
参考: https://t.co/kghiDwYCeC pic.twitter.com/0sfUcGL9VJ
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