Spirit AcademyのコーチであるS0tF1kが、モスクワで開催されたBetBoom LanDaLan 2の優勝後、kyousukeやチームの未来、そして自身のアカデミーでの役割について語った。
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圧勝すぎた決勝戦、冷めた反応のkyousuke
Spirit AcademyはBetBoom LanDaLan 2で圧巻のパフォーマンスを見せ、決勝までわずか1マップしか落とさずに優勝し、賞金3万ドル(日本円で約430万円)を獲得した。
勝利の余韻に包まれる中で、アカデミーのエース、kyousukeはトロフィーを掲げながらも、どこか浮かない表情を見せた。その理由についてS0tF1kはこう語る。
「彼は本気の勝負がしたいんです。難しい試合や、やりがいのある戦いを楽しむタイプなので、2大会連続でこうも簡単に勝ってしまうと、物足りなさを感じてしまうんでしょう。彼は、今回の決勝が簡単すぎたことに落胆していたんです」
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優勝後のkyousuke |
オンラインでは苦戦も、LANでは圧倒的な実力を発揮
S0tF1kは、これまでにdonkやzont1x、Patsiらの育成に携わってきた。今回のインタビューでは、kyousukeの移籍が噂される中、チームの今後やオンラインでの不調、新たなアカデミーの展望についても語ってくれた。
ー 今回のLanDaLan優勝、おめでとうございます。この勝利に満足していますか?それとも、あまりに当然すぎて喜びは薄いですか?
「ありがとうございます。ただ、もっと競った試合になると思っていたので、驚くほどスムーズに勝ってしまいました。なので、達成感というより「まぁ、良い試合だったな」という感じですね。でも、LANの場で選手たちがしっかり力を出せたのはうれしいです。2大会連続で出場し、失ったマップはたった2つ。これは良い成績だと思います」
ー 決勝ではARCREDを3-0で圧倒しましたが、彼らはこの大会の優勝候補の一つPARIVISIONに勝っています。ARCREDの印象はどうでしたか?
「正直なところ、ここまでやるとは思っていませんでした。ただ、PARIVISIONはメンタル的に崩れていたし、1winはTrainをピックして自滅気味だったと思います。ARCREDはファンの応援もあり、完全に「LAN向け」のチームに見えました。まるで人生ずっとLAN大会で戦ってきたかのような落ち着きがありましたね」
― 今回は観客も多く、一部はSpiritにアウェイな雰囲気もありました。それについてはどう感じましたか?
「むしろ良い経験になったと思います。観客の前でプレイするには、騒音や足音が聞こえない状況に慣れる必要がありますから」
「前回のLANでは、その“空気感”を体験させることが目的でしたが、それが今回はしっかり活きたと感じました。選手たちも「観客の声援が気持ちよかった」と言っていて、メンタル面でも大きな成長を感じました」
オンライン不調の理由と、アカデミーの成長
― オンラインでは最近、結果が振るわないように見えます。何が原因でしょうか?
「正直に言えば、オンライン環境があまり良くないんです。例えば、PCのスペックが十分でない選手がいたり、alkarennやsyph0のようにPingの問題を抱えていたり。家庭内の雑音や、子どもが騒いで集中できないこともあります」
「でも、ブートキャンプでは全く違います。今回もブートキャンプ中にOGに勝ちましたし、LANでもしっかりと力を発揮しました。やはり、同じ空間で練習できるとチーム全体のパフォーマンスが上がりますね」
― アカデミーチームという立場で、ブートキャンプに制限はありますか?
「特に制限はありません。唯一の問題があるとすれば、ロシア国内でブートキャンプができないような状況になった場合だけですね」
kyousukeの去就と、Spirit Academyの将来
― ファンの間では、今シーズン終了後にkyousukeが移籍するのではという話題で持ちきりです。その件については?
「ノーコメントです。あと1~2ヶ月もすれば、皆さん自身で答えが見えるでしょう」
― kyousuke以外で、今後注目されそうな選手はいますか?
「他の選手たちは皆、ほぼ同じレベルにいます。Maxim(kyousuke)だけが明らかに一段上ですね。他の選手たちはTier1ではまだ厳しいかもしれませんが、Tier2であれば十分に通用すると思います」
― チームとしてはサイクルの終わりを迎えつつあるのでしょうか?
「私としては、まだこのメンバーと一緒にやっていきたい気持ちはあります。ただ、アカデミーでの育成は2年が一区切りだと思っていて、それを過ぎたら次のステップへ進むべきだと考えています。彼らはまだそこに達していませんが、次のメジャーが終わる頃には、そのタイミングが来ると思います」
拡張されたSpiritアカデミーと教育の両立
― Spiritは最近、年齢別のアカデミー制度を発表しました。一部では「子どもに勉強させろ」といった批判も見られますが、それについてはどう考えていますか?
「もちろん、教育の大切さも理解しています。だから、スケジュールは柔軟に対応しています。例えば、学校が終わってからの16時スタートでも全く問題ありません。学校を休ませてまで練習させることは絶対にしません」
「ロシアでは午後から学校に通う「二部制」もあります。そういった子どもたちは、午前中に練習できるようにしています。ロシアは広い国なので、時差の関係も考慮しながら、できる限り多くの子どもたちにチャンスを与えたいと思っています」
― 現在のチームが解散するようなタイミングになったら、あなた自身の役割も変わっていくのでしょうか?
「今のところは、コーチとして現場に関わり続けたいと思っています。この仕事は刺激が多く、自分が“生きている”と実感できるんです。でも、もしかしたら3年後には、全体のアカデミーを統括する立場に回る可能性もありますね」
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